語りたがり女が語る、少年忍者22人

オタク女が少年忍者のメンバー個人への印象を語る連載

『川﨑星輝』星を背負う

てんとう虫の星の模様を見て、私の好きな作家は『てんと虫よ星背負ふほどの罪はなに』という短歌を読んだ。てんとう虫の星が罪ならば、彼の背負う星は、一体何になるのだろうか。

 

ちょっとポエムチックな感じで始まってしまったけど、やはり”星”というのは昔から人を酔わせる中毒さがあると思う。川﨑”星”輝にもその節はある。何しろ私がその中毒性にずっぷりハマっている女の一人なのだから。十代の子の成長は本当にたけのこ並で、去年まで赤ちゃんだと思っていた子が、今や小さ過ぎる顔が浮かべるアンニュイな表情と、長過ぎる手足のバランスから少し危うい色気すら感じる。気づいたら綾野剛になっているのだから末恐ろしい。最早今の星輝くんは”ちょっと可愛い綾野剛”だし、綾野剛を見ると”ちょっと危うい川﨑星輝”だ。

 

2021年、帝国劇場にて行われたえび座を見に行った際、私の周りのえび担は皆星輝くんの事を予め知っていたが(※私は新参の少年忍者担でありつつ、かれこれ10年くらいえび担をやっている。戸塚祥太は、LOVEとLIKEを超えた究極の存在である)口を揃えて「星輝って何でも出来るんだね」と驚いていた顔をしていた。しかし、こちらにとって星輝くんが何でも出来ることは当たり前だったので、彼女たちのその言葉自体に私も驚いた。ダンス、演技、ピアノ、アクロバット、ローラースケート…書き出したら、確かに星輝くんはあの1つの舞台でこれだけの事をこなしていた。初めて川﨑星輝を認識する人達の前で、これだけの才能を惜しみなく披露していたのだ。


星輝くんは、多彩な人だった。自分の色を出したISLAND TVも更新してくれるし、webの日記もこちらへのサービス精神を大いに感じる。現場でも、メディアを通しても、ファンサービスに余念がない。奉仕の才能だ。一方で、私は9忍でいる時の『星輝先輩』に異常なほどときめいてるところがある。入所の順番がものを言うジャニーズ事務所の中で、『歴の長さ』という鎧を脱ぎ、後輩に視線を合わせ、皆を引っ張りつつ、1人先行く事の無い、9人の足並みを揃えて進もうという姿勢を感じる。新しいリーダー像の形、これも才能だと思う。


才能は、元々備わっているセンスに本人の努力が加算されて完成されるものだと思う。根底にある努力家の才能が、彼を輝かせる最大の武器なのだろう。そしてその輝きに当てられて、私は星を眺めるように心酔うのだ。


『てんと虫よ星背負ふほどの罪はなに』てんとう虫の星が罪ならば、彼の背負う星は、星の数ほどの輝く才能だろう。